エーゲ海ギリシャ神話の旅 8D
~トルコのイオニア地方は古代ギリシャ世界の中心地。そこに残る神話の世界と遺跡の旅。エーゲ海の景色もお楽しみいただけます~
D1 イスタンブール着後、空港付近ホテルへ。
(食事なし) イスタンブール空港付近ホテル泊
D2 トロイ観光の拠点チャナッカレへ。途中、神話の英雄たちも渡ったダーダネルス海峡を船で渡ります。昼食は魚料理。
(B:ホテル L:ゲリボル/レストラン D:ホテル) チャナッカレ泊
D3 エーゲ海屈指のリゾート地クシャダスへ。途中、ホメロスのイリアス&オデッセイアに書かれたトロイ戦争で有名なトロイ遺跡、医学の神アスクレピオスの遺跡アスクレピオンを観光。昼食はベルガマ地方名物のナス料理チュールトマとお粥。
(B:ホテル L:ベルガマ/レストラン D:ホテル) クシャダス泊
D4 終日、エフェス地方を観光。エフェソス遺跡、古代世界7不思議の一つアルテミス神殿、エフェソス博物館、聖母マリアの家、シリンジェ村。昼食はエーゲ海地方の野菜料理とエフェス名物のチョップシシ。夕食はエーゲ海沿いのレストランでシーフード。
(B:ホテル L:エフェソス周辺/レストラン D:クシャダス/レストラン) クシャダス泊
D5 古代都市ハリカルナッソス、現在のボドルムへ(ボドルムはエーゲ海と地中海の境目に位置する港町で、エーゲ海諸国特有の白い家が特徴的。)。途中、ディディムでアポロン神殿を見学。着後、ボドルム・マリーナにて昼食&古代世界7不思議の一つモウソロスの霊廟(モウソレウム)、ボドルム城(水中考古学博物館)見学。
**ボドルム城内に有料ですがカリアのプリンセスホール、沈没船から収集したガラス製品展示ホールがあります。追加可能です。
(B:ホテル L:ボドルム/レストラン D:ホテル) ボドルム泊
D6 朝便でイスタンブールに戻ります。着後、旧市街観光。夜はベリーダンスディナーショー。
(B:ホテル L:旧市街/レストラン D:ディナーショーホール) イスタンブール泊
D7 6日目に周り切れなかったところ & ボスポラス海峡クルーズ。船から乙女の塔や両サイドの景色をご覧ください。その後。空港へ。
(B:ホテル L:- D:-) ツアー終了
ツアー終了
≪日程にまつわるギリシャ神話≫
1) ダーダネルス海峡(ヘロとレアンドロス)
愛の女神アフロディテの女神官ヘロは、風の激しい島セストスに住んでいた。一方、ヘロの恋人であるレアンドロスは、ヘレスポントス(ダーダネルス海峡)をはさんだアビュドスという島に住んでいた。この島も、風が激しく吹く島であった。女神官は結婚が許されていなかったので、二人の恋は、秘密であった。レアンドロスは毎夜、ヘロに会うために、泳いで海峡を渡った。ヘロは毎晩、塔に灯をかかげ、レアンドロスは、その灯りを頼りに泳いだのであった。ある晩、ヘロの掲げる灯りを風が消してしまった。レアンドロスは闇の中で、目標を失い、溺れて死んでしまった。ヘロは絶望のあまり、塔から海に身を投げるのであった。イスタンブールにある乙女の塔もこの神話を受けて別名レアンドロスの塔と呼ばれる。
2) トロイ戦争
結婚式に自分だけ招待されなかった不和の女神エリスは結婚式の邪魔をしようと、りんごに“一番美しい女神へ”と書いて投げ入れた。すると自信家の3人の女神ヘラ、アテナ、アフロディーテがわたしの物だとゼウスに訴えだしたため、ゼウスはトロイの王子パリスに委ねるよう言った。パリスのもとへと降り立った女神たちは、ヘラは権力、アテナは力と知恵、アフロディーテは絶世の美女という条件を出し、パリスは美女を選んだ。その結果、パリスは美女ヘレネを手に入れるが、彼女が既婚者だったためトロイ戦争の引き金となり、ヘレネの夫メネラオスは兄のアガメムノンに訴えて、トロイへ向けての遠征軍をギリシア全土から募って出征をさせた。その中にはオデュッセウスや、出征すると命を落とすという神託が下ったギリシア最強の戦士アキレウスもいた。こうして10万人もの兵士がトロイへ向けて旅立った。この戦争は決着のつかぬまま10年が過ぎた。神々の中でゼウスは中立を誓っていたが、その他の神々はそれぞれ好きなほうに分かれてひそかに情勢を動かしていたため、戦争は続き多くの犠牲者が出た。アキレウスはアガメムノンと仲たがいして離軍したため、このままではギリシア軍が負けてしまうと感じたアキレウスの親友パトロクロスは、アキレウスの武具を借りてトロイ軍の王子ヘクトルに戦いを申し出た上、敗れて死んでしまう。パトロクロスの死を知ったアキレウスは嘆き悲しみ、親友の復讐のために再び槍を握り、終にヘクトルを倒す。いろいろな出来事が起きたが戦争は続いた。最強の戦士で不死身のアキレウスだが、母のテティスが彼を不死身になる川の水に浸したときに握っていたために唯一不死身にならなかった踵にパリスの射った矢が命中し絶命する(アキレス腱の由来はここから来る)。そこでオデュッセウスは木馬の計を思いつく。ギリシア軍はトロイの城門に巨大な木馬を残して帰国したかのように見せかけ、実際はその木馬の中に大勢の兵士、残りの兵士は船に乗ってトロイからは見えない沖合いまでいって、攻撃のチャンスを見計らっていた。トロイの人々はギリシア軍の撤退を信じ込み、素直に木馬を捧げ者として場内へ運んだ。その日の夜、勝利に酔ってトロイの人々が眠りについたところでギリシア兵士たちが次々と木馬から現れ、殺戮を始める・・・こうしてトロイは滅亡した。
3) 医学の神アスクレピオスと医療センターアスクレピオン
アスクレピオスはアポロンとコロニスの子供であり、妊娠中のコロニスは人間と姦通した罪で殺されたが、胎内から取り出された胎児はケイロンの手で養育され、医術を教えられて死者を蘇らせるほどの名医になった。彼は学問の女神アテナに頭髪が蛇の怪物ゴルゴンの血を貰い、その秘薬を使って死者を蘇らせたりするので、冥界の王ハデスの怒りを買いゼウスの雷に撃たれて死ぬが、再び復活して神々の仲間入りを果たした。これが医神アスクレピオスの生い立ちの物語であり、アスクレピオスが手に持つ蛇が巻きついた杖は、医学校や病院だけでなく薬局や医療組織のシンボルになっている。蛇の彫刻の円柱があるアスクレピオンの聖域には地下道があり、岩組みのトンネルの天井には五メートル間隔で穴があいているが、これは地下道を通る患者たちに向かって「あなたは治る、アスクレピオスの恵みで快癒する」と囁いて、暗示療法をするための仕掛けの名残りである。この意味で、アスクレピオンは体育館と浴場を散歩道が結ぶ、心身の調和と統一を目指す保養施設だったのである。
4) 月と狩の女神アルテミスとアルテミス神殿
ゼウスとレトの子、アポロンは双子の兄。森と狩りを愛し純潔を愛する処女神。気性激しく、残忍性も持つ。トロイ戦争にも大きく関わる。古代エフェソスは、アルテミス女神崇拝の一大中心地で、アルテミス神殿はその壮麗さでも著名で古代7大不思議の1つに数えられた。胸部に多数の乳房(本当は牡牛の睾丸)を持つように見えるアルテミス像が残っている。
5) 太陽と芸術の神アポロンとアポロン神殿
ゼウスとレトの子、アルテミスは双子の妹。神々の中で最も美しい男神と言われ、芸術の守り神、竪琴や弓の名人、人間に初めて医術を教えた神、真理の神、太陽神でもある。アポロンは最も美しい神と言われながら妻コロニスとの悲劇で代表されるように女性にはあまり縁が無かった。エロス(キューピット)の矢で射られたアポロンが月桂樹になったダフネに恋した神話等ドジなところが妙に人間らしい。ディディムのアポロン神殿は、聖なる井戸と月桂樹の木を中心に栄え、古代ギリシャではデルフィとともにアポロンの聖域とみなされていた。神殿の見所の一つは見事なメドゥーサの浮き彫り。「自分の髪は女神アテナの髪より美しい」と自慢したメドゥーサはアテナの怒りを買い、美貌は身の毛のよだつような醜さに、讃えられるほどの美しい髪は一本一本を毒蛇に変えられてしまい、見たものを石に変える能力を持つ魔物にされてしまった。メドゥーサは英雄ペルセウスによって首を切り落とされ退治されたが、見たものを石に変える魔力が魔除けになると考えられ、神殿などの重要な建築物にはメドゥーサの彫刻が好んで使われていた。
6) 古代都市ハリカルナッソス(ボドルム)とヘルマフロディトス
ヘルマフロディトスはヘルメス(HERMESはハンドバッグやスカーフのブランド名でおなじみの富と幸運の保護神)と愛と美の女神アフロディーテの間に生まれ、美しい少年に育った。彼を見たハリカルナッソス(現在のボドルム)の泉の妖精サルマキス(サルマキスは地名になり現在はバルダックチュ)は彼に夢中になってしまい誘いをかけるが、ヘルマフロディトスはただ頑なに拒むばかりだった。ある夏の日、暑さも手伝ってヘルマフロディトスは泉に飛び込み泳ぎだしたが、それを見たサルマキスは自分も水中に潜り、無我夢中でヘルマフロディトスに抱きつき、「何者も私たちを引き離すことが出来ないように」と神々に祈りを捧げた。願いは聞き入れられ、二人の体は結びつき、男でも女でもなく、男でもあり女でもある身体に変化してしまった。悲しみにうちひしがれたヘルマフロディトスは、泉で水浴する者の性を奪う力を天に願い、以来、サルマキスの泉で水浴すると男性は不能になってしまうと伝えられる。
7) ボスポラス海峡(牝牛にされたイオ)
ボスポラスとは「牝牛の渡渉」という意味でゼウスが妻ヘラを欺くため、不倫相手のイオを牝牛の姿へ変えるが、ヘラはそれを見破り、恐ろしいアブ(虻)を放った。そのためイオは世界中を逃げ回ることになり、牛の姿のままこの海峡を泳いで渡ったとされる。